わたしの人生語呂合わせ

OLの穏やかな思考

社会人1年目は小学校1年生と同じだった

私が幼くなったというより、周りが私を見る目が、完全に子どもを見る目だった。

 

先日、会社の行事でプレゼンがあった。これは新人の1年間の総括としてかなり長い間行なっているもので、トレーナーおよび課長と一緒に半年くらいああでもないこうでもないと言いながら作り上げる、けっこう力の入ったイベントである。私はちょうど仕事が暇な時に重なったので時間をかけてパワポを作ることができたが、日夜忙しい同期は家に持って帰って作ったらしい。土日を賭すことも普通にある。徹夜したとか色々噂を聞く。

 

発表当日は、トレーナーや課長だけでなく課のメンバーも見にきた。会議室の前に立ち、必死でしゃべる私。それを見つめる役員。眠そうな管理部長。鋭い目線のコンサル会社から来た人(よく知らない)。その手前に同期。私より前に終わったやつの余裕そうな顔。そして、課のメンバーは役員たちよりも奥で、若干スライドが見づらいのか、文字通り首を伸ばしている。先輩がにやにやしながら聞いているのが見える。直前になって愚痴を聞いてもらうついでにヒントをもらった(いつも私に一方的に与えてくれる人、申し訳ない)。課長の顔が見えなくて緊張しない。

そんなことを考えていたら、まるで小学校の授業参観だ…………と思った。話している間に思いついて、面白くて仕方なかった。他の同期の時はこんなに人がいなかった。私だけ保護者が多い。父が3人、姉が2人、母が1人くらいいる。みんな私がうまくしゃべれるかを気にしている。質疑応答の時間、緊張している、私よりも。

 

社員は家族、と言い切ってしまう社長がよくいて、共感はしないが、こういうことなのかもな、と合点がいった。私がちゃんとした大人になるかを見守っている人たち。もう実の親は私の成長に興味はないから、次は会社の人に監督権が移る。最初のうちは転ばないように徹底して教え込む。一人で立って歩けるようになったら転ぶまで歩かせて勉強させる。打ち所が悪くて泣いていても、助けてくれるのは最初だけ。就職してからの数年間は、第二の子育てなのかもと思う。

私は会社の中でも、世間一般としてもかなり恵まれている方と自覚している。部のアイドルを自称しているがみんな呆れながらついてきてくれるし、私がどんなに調子に乗った発言をしても笑って許してくれるし、腹の中でどう思っているかは自由だが表向きはいつも尊重してくれる。ある意味実の家庭より温かいかもしれない。たぶん、私の生き物としての成長には責任がないからだろう。

 

子育てと考えると、ブラック企業はネグレクトとか虐待に当たるのかもしれない。この日本でブラックでない会社はないと言うけれど、それは労働時間が長いとか、そういうことだけではなくて、上司が部下を人として考えているかいないか、も大事じゃないかと思う。と、突然大きいことを書いてしまったが、言いたいのは、とにかく授業参観みたいで面白かった、という話だ。

 

就職する前は、男性社会と言われるところに飛び込むのが嫌だったし、男性と張り合って働きたいと思っては、性別に縛られている自分に対する自己嫌悪みたいな面倒な感情に支配されていた。皮算用だった部分も多くあった。結局、私は若い女であることの価値を惜しまず発揮していて、かつて嫌悪したゾーンに自らを踏み入れている。

でも、よく考えたら、必死で歩いている子どもは可愛いわけで、自分が当たり前にできることを試行錯誤して取り組んでいる様はいじらしいのだ。今これを公園で書いているが、周りを子どもがバタバタと駆けて行く。走ることに全身を使っている。特に小さい子どもが好きでもないが、可愛いなあと思う。あんなときがあった、とも。何も入らなそうな小さいリュック。20年前と違うのは、タブレットで動画を見ている子が多いことくらいで、子どもたちがはしゃぐこと自体は、変わらない光景がある。

きっと周りの人から見たら私が日々悲鳴を上げながら仕事をしている様子は、昔の自分であり、そうでなくもあり(今時の若いもんは!)、面白くて可愛いのだと思う。そして、私が先輩になったとして、同じように後輩に思うだろう。それは別に私が若い女であることは関係なくて、普遍的なことで、だからそこまでこだわることではないと悟った。大人しく瓶ビールを注いでおじさんに好かれている方が楽である。(ただし、いつか卒業しないと恐怖)

 

私の周りは若い人が少ないのだが、そういうところに配属になったことで開き直れたと思う。会社で測られているのは女としての価値ではなくて努力できる人間かどうかということなのではないだろうか。だから大人は決まって雑用をちゃんとやれと言うのである。

要はこれからも社会人を続けたいですという話で、生きていると発見があるな〜!というゆるふわな話であった。だからこれから社会人になる皆さん、こちら側は地獄ですが、早く熱湯に慣れてしまえば良いのです。