わたしの人生語呂合わせ

OLの穏やかな思考

東京がやめられない

無気力なOLなので、休みの日はまずベッドから起きたらえらい、次に眼鏡をかけたらえらい、と一つずつ自分を認めていかないと何もする気になれない。べつにふだんの仕事が死ぬほど忙しくて休日は何もしたくないというわけでもなくて、むしろ仕事が暇だった時の方が休みの日のやる気は失われる気がする。

それでいて、次の週末は何をしようということは常に考えているため、ブラウザのブックマークには大量の宿題がたまっていた。

 

その一つが東京国立近代美術館だった。竹橋という大都会にある美術館で、神保町や大手町など、歩いていける圏内に面白い街がたくさんある。皇居の目の前でありつつ、高層ビルが立ち並んでいる。不思議といえば不思議、東京らしい風景である。

ブックマークしたのはおそらく何か企画展をやっていたからだったと思うが、最近は横山大観展をやっているようで、かなり混み合っていた。わたしは行かなかったけれど。

 

美術は詳しくないし、直感的に好きとか嫌いとかしかないので良さはよくわからないが、理解できないものを見るのは楽しい。誰でも描けそうな絵に億の値がつくのが面白い。いや、誰でもは描けないんでしょうけど、これを小学校の図工の時間に出したら先生は突っ返したくなるだろうな、という作品たち。

使い道はないけれどポストカードを買うのも好きだ。たくさん作品を見て回って、脳がいっぱいになったあとにポストカードをみて、あ、これよかったななんて思い出して、買う。近代美術館は異様にポストカードが安く、90円税込という破格だった。郵便番号が5桁のものがありますと書いてあった。5桁の時代なんて知らない。

 

横山大観展に湧く人々を尻目に1時間ほどで美術館を出て、神保町に向かおうと歩いた。本屋でも行こうと思ったからだ。ちょうど2、3冊欲しい本があったし。

竹橋と違って神田錦町の近辺は新しいオフィスビルは少なくて、背も低くて、昔ながらの企業も多くて、わたしの好みの街だった。おきまりのインドカレー屋と、やたらとビールが安い中華料理屋と、床面積が異常に少ないコーヒースタンドと、タワーマンションの1階にあるグリーンカフェ的なものと。東京が詰まっている、と思う。

結論から言うと神保町には行けなかった。交差点を左に曲がれば神田に着きそうなところで直進してしまった。御茶ノ水もいいなと思ってしまったからだ。東京は駅が密集しているから、一本間違うだけで全然違うところに連れて行かれる。

千代田線の新御茶ノ水あたりを歩いていたら、ニコライ堂にたどり着くことができた。

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東京だけでなくおそらく日本でも珍しい、ロシア正教の教会である。昨年秋に函館に行ったが、そのときも正教会を訪れたことを思い出した。修学旅行生にまじってしれっと解説を聞いた。

スタッフの方がこまめに清掃していて、この空間を維持する努力をしているのだなと思って感動した。聞けば色々教えてくれるらしいが、わたしは勇気を出せなかった。すみません。受付で渡されたろうそくを置いてきただけ。

実はここは高校の日本史で習った時から気になっていて、数年越しの宿題を二つ消化したことになる。しかも偶然。東京はこういう、密集しているが故の偶然がたくさんあって、やめられない、と思う。

 

御茶ノ水は予備校とか就活とか通勤とかでさんざん来たことがあったので、歩きながら飽きていたのだがニコライ堂がゆううつを覆した。東京都千代田区神田駿河台4ー1ー3だそうですので、ぜひ。一緒に街巡りをするならどこなのだろう。神保町、御茶ノ水あたりからは近いです。

 

明日でGWも終わるし、土日休みの一般的なサラリーマンはそろそろ守りに入ってくるときだと思うけれど、それでも東京巡りをする体力は残しておきたい。思い切って電車に30分も乗ればいいだけなのに、それだけのハードルが休日になると途端に高くなる。電車混んでるし、どこ行っても人は多いし、カフェ入るだけで待つし、、、となりがちだが、電車は意外と空いているし、オフィス街なら人は少ないし、カフェも空いている。丸ノ内線とか有楽町線とか、いわゆる通勤電車であれば平日より確実に空いている。こういうライフハックみたいなものを積み上げて、もっとこの街を楽しみたいと思う。しょっちゅう一人で旅行に行けるわけではないし、それでも平日を耐えて生き抜かなければいけないから。

 

わたしは最寄りのターミナルが池袋で、当然定期券内なのだけれど、池袋から東京東部の観光スポットってだいたい片道200円なのである。もちろん新宿、渋谷も近い。東京、銀座あたりはメトロ195円。品川とか東京の南側には弱いので300円近くかかってしまうが、そこまで大した出費でもない。たったそれだけで、しかも家から1時間だけ。ちょっとがんばって起きて、顔を洗って着替えて、軽く化粧して。それだけで、スマホの中にあった世界が体験できる。

行く場所は検索で決めてもいいけれど、検索したことを体験しに行こうと思ってはいけないと思う。いい意味で毎度裏切られたいし、自分を裏切りたい。それが手軽にできるから東京はいい街だと思う。結局わたしは東京ジャンキーをやめないまま。

 

最終的に東京のプレゼンみたいになってしまったけれど、東京は悪いところじゃないということを声を大にして言いたい。たしかに満員電車は疲れるし、どこ行っても混んでるし、そういう面もあるけれど、上にも書いたように歩行者はわたしだけ、他は車みたいな道もたくさんある。長野に行って思ったけれど、東京とか都会から移住してくる人は都会に疲弊しているし、都会が嫌いだ。当たり前だけど。気持ちはわかるけれど、勿体無いと思う。東京は人の心がないみたいなことを言う人もいるけれど、そんなことはない。下町じゃなくても優しい人はたくさんいるし、人間同士のつながりは存在している。

 

こうやって書いてはいるけれど、23年間住んでいながら東京を代表して語れるほど東京のことを知らない。東京タワーもスカイツリーも行ったことはあるが登ったことはない。23区すべて行ったことがあるかと言われたら、ないかもしれない。23区以外はほとんど行ったことがない。この間調布に行ったくらい。もっと東京を知りたいと思うし、そのための体力を残しておきたい。そのためにも、そこそこ仕事頑張らないとですね。

 

長々と書いたけど、東京はいいところなので嫌いにならないでくださいという話です。ほんとうに、わたしは、故郷であり、住んでいるところでもあり、職場でもある東京が大好きです。結婚して。